ヒダマルのラノベ講座。

ヒダマルが考える、ライトノベルの作り方。来たれ小説書き。

異世界系に興味ない? 他ジャンルを研究する理由とは。


 前回の記事「異世界系はなぜ面白い? 読者と作者、双方の立場から考察」では、大手小説投稿サイト「小説家になろう」に多い「異世界系」について考察しました。

 ただ、異世界系については、小説書きとしても興味の別れる部分はあると思います。かくいうヒダマルも、異世界系作品を書いた経験はありません。


 しかし。

 もしも「自分の書いてるのは異世界系作品じゃないから、関係ないや」と考えて、異世界系に目を向けていない方がいらっしゃるなら……、

 

 甘い。


 小説書きにとって、不要な知識などありません。創作に関する事柄であればなおさら。
 興味のあるなしに関わらず、「どんな小説がなぜ面白いのか」は常に考える癖をつけましょう。


 そこで今回は、異世界系の知識が具体的にどう役に立つのかを解説します。

 

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は異世界系作品である。

 ……と言ったら、驚かれるでしょうか。

「あの名作をなろう小説と同列に語るな!」と怒られるかもしれません。
 しかし、「創作」という一点から観察すれば、このカテゴライズはさほど的外れではないと理解できるはずです。

 

 前回も述べた通り、異世界系作品に共通する事柄は「主人公が現実世界から転生して、別の世界で活躍する」です。

 そのメリットについて「ファンタジーのタブーがなく、現実世界の感覚で描写できる」点を上げました。


 一方、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は?

 主人公のマーティ・マクフライがタイムマシンに乗って、30年前の世界を冒険するお話です。未来から来た人間の視点から、過去のあれこれについて反応を見せています。


 はい、同じです。

 

 

ジャンルが違っても、「面白さ」は共通する。

 もちろん、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を真面目に分類するなら「SF」一択でしょう。その事実を否定する訳ではありません。

 ここで理解していただきたいのは、「同じ技術を用いている」という点です。
 異世界系の技術は、他の創作作品にも応用できるのです。


 まだ飲み込めないようなら、『ハリーポッター』シリーズを思い出してください。ファンタジー色が強い分、イメージしやすいはずです。

「平凡な少年が未知の世界へ赴き、秘められた力で悪と戦う」

 これが異世界系でなくて、なにが異世界系でしょう?

 

 

『ターミネーター』は「異世界から転生してきた敵」だと言えます。
『アルマゲドン』では荒くれ者たちが宇宙へ旅立ち、その技術と根性で世界を救います。
『タイタニック』の主人公は、上流階級の世界でヒロインと恋に落ちます。

 


『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『崖の上のポニョ』等のジブリ作品だってそう。

「主人公が生活する世界から飛び出し、新しい世界で冒険する」
「そのため、主人公と読者(視聴者)が同じ感動を共有できる」
「元いた世界の基準で描写できるため、作者・読者双方にとって都合がいい」

 このような点から考察すれば、ありとあらゆる作品に「異世界系」のエッセンスが混ざっていることに驚きます。

 

 

 昔から存在する「創作の技術やお約束」を一点に尖らせた形で「異世界系」とカテゴライズされているので、明確に線引きするのは難しい部分があります。

「『となりのトトロ』は異世界系作品なんだよ!」と言われてもピンと来ないでしょう。


 しかし、異世界系の仕組みを理解した上で周囲を見渡すと、明らかに同じような工夫が凝らされた作品が散見されることに気が付きます。気が付けます。


 では、「ミステリー」の視点に立てば?

「恋愛もの」の視点に立てば?

「学園もの」の視点に立てば?


 一つの立ち位置からでは見えない世界が見えるはずです。
 そこで得られる視野が、興味のない分野でも勉強するべき理由なのです。

 

 

まとめ。

結論:様々なジャンルに関心を持ち、技術を吸収しよう。


 今回は「異世界系」を軸に考察しましたが、どんなジャンルにも同じことが言えます。
「恋愛もの」「ミステリー」「熱い異能力バトル」、どんなジャンルの小説であっても、「書かないから知らなくていいや」は大損です。


「なぜ面白いのか」「どんな工夫をしているのか」、ジャンルの持つエッセンスを全力で吸収し、自身の小説に役立てましょう。