ライトノベルには、多くの場合、ヒロインが登場します。
もちろん美少女です。フィクションですから、100年に一度の美女だって何人も出てきます。美少年もイケメンもよりどりみどりです。どこを見ても美しいんです。
そこで問題になるのが、「美しさ」をどう表現するか?
各キャラクターを形容するにあたって、どんな差異を付ければ個性が伝わるのでしょう。
文章力・描写力を格段にアップさせる秘訣をお伝えします。
「美しい」は封印しよう。
キャラクターの美しさを、「美しい」という言葉で説明しようとしていませんか?
「美しい少女」「美しい瞳」「美しい髪」と、「美しい」に頼り切っていませんか?
封印しましょう。
形容詞「美しい」を使わず、美しさを表現してみてください。うまく行けば、ただ単に「美しい〇〇」と表すよりも、何倍も深みのある美しさが伝わるはずです。
一切合切使用禁止なわけではありませんが、制限をかけて文章を作ってみることで、より魅力的な美しさを伝える練習になります。
もしも「美しい」だけでキャラの魅力が十分に伝わるのなら、そのキャラはたぶん、あまり美しくないと思います。
苦言を呈すと、「美しい」でいいのなら、小学生でも書けます。(小学生は小説を書くなとは言ってません。むしろ書いて)
形容詞は便利なので、ついつい多用してしまうことがあります。
「美しい」に限らず「かっこいい」「かわいい」「たくましい」「幼い」「ふてぶてしい」「胡散臭い」「神々しい」「あつかましい」などなど、類型的な特徴を一言でスパッと伝えてくれます。便利なんです。
しかし肝心かなめは、「どのように」美しいか。
「どのように」の部分にしっかり力点を置いて描写するならば、その後の形容詞はなくても伝わるはずです。
「どのように」の変化で、キャラ被りを防ぐ。
「どのように」のパターンを重複させないことで、キャラ被りをチェックすることもできます。
絶世の美少女二人が登場するとして、どちらも「絶世の美少女」とだけ書いていては、違いが分かりませんよね。この場合も「どのような絶世の美少女か」に着目し、そこに差を付けることで、それぞれのキャラ立ちが良くなります。
(というより、キャラに差があれば自然、描写内容にも差が出るはずですが)
かたや金髪クールな女王様気質、その視線は誰の心をも打ち抜くが、全身から発するオーラに圧倒されて常人は近づくことすら許されない絶世の美少女。
かたや黒髪おっとり癒し系、柔らかな笑顔はどんなストレスもたちどころに霧散させ、彼女の前では安いプライドも闘争心も無力と化す絶世の美少女。
「絶世の美少女」という形容が同じでも、「どのように」に差があることで、これだけの違いが出ます。
まとめ。
結論:「美しい」を封印して、美しさを表現しよう!
「美しい」と書かずに美しさを表現する。「かわいい」と書かずにかわいらしさを生む。「渋い」と書かずに渋さを出す。
これができれば、小説家として大きな武器になります。お勧めの練習法なので、ぜひお試しください。