ヒダマルのラノベ講座。

ヒダマルが考える、ライトノベルの作り方。来たれ小説書き。

男性向け・女性向けの違いを考える。 【恋愛関係】

 

 創作における男性向け・女性向けの違いを考察するシリーズ、第二段。

 前回→「男性向け・女性向けの違いを考える。 【主人公】」では主人公を取り上げましたが、今回はその相手役について考えてみます。

 

 男主人公の場合の「ヒロイン」、女主人公の場合の……、「ヒーロー」ではないし、ヒロインとも違うし、ヒダマルは『ヒ―ロイン』と呼んでいます。

 

 とにかく、相手役について。

 特に、主人公との「関係性」を軸に見ていきます。

 

f:id:hidamaru:20190916225159j:plain

 

男主人公と一対多。

 主人公が男性の場合、恋愛模様は「一対多」になりがちです。

 主人公と恋愛関係になりそうなヒロインが、多数登場する形式。いわゆる「ハーレムもの」ですね。例を挙げるまでもなく、数多くの作品が当てはまります。

 

 メインヒロイン枠に収まるキャラはいますが、ダブルヒロインの場合も多いです。よくある構造が「幼馴染VS運命の人」。幼馴染は負けがち、までがセオリーですかね。

 男性主人公の周りに幾人ものヒロインが存在し、主人公に惚れたり、アプローチしたり、仕方なく一緒に行動したり、興味が無かったりと、多種多様なキャラと関係が構築されることが特徴です。

 

 主人公のスタンスは、基本的に「どっちつかず」。

 鈍感だったり奥手だったり目移りしたりと理由のバリエーションは考えられるものの、「この人に決めた!」という展開はかなり終盤になるまでありません。

「色んな女の子と関係が持てる可能性」、このシチュエーションを楽しみ続けるのが、ハーレムものの醍醐味だからです。

 

 少し生々しい話になりますが、これには明確な理由があります。

 女性のみなさん、どうか怒らないで聞いてください。後生なので、言葉以外の意味も受け取らないでください。

 

 

 基本的に、生物は、子孫を残すために生きています。

「遺伝子的利益の追求」のために、存在しています。

 

 そして、哺乳類の雄が有する遺伝子的利益の可能性は、哺乳類の雌とは桁違いです。

 

 人類史上、一代で最も多く子孫を残した男性は、「男児だけで約700人」だと言われています。大家族なんてものじゃありません。

 一方、女性が生涯で産んだ子どもの最多記録は、69人。

 

 哺乳類の雄にとって、遺伝子的利益を最大化する最も優れた戦略は、「とにかく種をばらまくこと」なんです。

 逆に、哺乳類の雌のそれは、「優秀な種を手に入れ、産み育てる」ことです。

 

 もちろん、哺乳類の雄の戦略を人間社会で実践するには色々と問題があります。そのためにあるのが物語、フィクションです。

「ハーレムもの」が人気を博す裏側には、こういった本能的な理由があると見ています。

 男性をターゲットにするなら、「ヒロインたくさん、可能性を限定しない」です。

 

 

女主人公と一対一。

 女性向け作品の恋愛模様は、男性向けのそれと違い、かなりの序盤から「ペア」が確立される傾向にあります。

 異性のキャラがどんなに多くても、どんなに魅力的でも、このペアが解消されることは基本的にありません。物語の展開によっては「一旦別れる」という道もあるかもしれませんが、表面的なものです。

 そうなったとしても、「この二人の話」として続いていきます。

 

 例えば『とらドラ!』『ゴールデンタイム』『ゼロから始める魔法の書』『半分の月がのぼる空』『狼と香辛料』など。

 

 

 女性読者を意識した作品では、男性向けとは逆に「最序盤からペアを作り、変更しない」ことです。

 女性にとって心地良い世界観になり、「二人の関係はどうなっていくのだろう」という興味を惹きつけて読ませることができるようです。

 

 超有名作品『SAO』は、明確な相手役を固定しつつハーレム状態も設計するという、「男性向けと女性向けのいいとこどり」を狙った作品だと分析しています。

 ……ヒダマルは正直、キリトの浮気っぷりが我慢ならずにリタイヤしています。

 

 

女主人公でハーレム?

 しかし、何事にも例外はあります。

 ソーシャルゲームなどを見ていると、「女性(プレイヤー)一人に対して、魅力的な男性キャラが数多く登場する」という形式も散見されます。少女漫画『私がモテてどうすんだ』では、相手役の男性キャラが4人登場しています。

 ハーレムものは、なにも男性の専売特許ではないようです。

 

 この問題が長らく消化できていなかったのですが、最近は、こんな風に分析しています。

男性キャラの中から、最も好きな一人を選んで、そこに感情移入しているのではないか?

 ヒダマルは男ですし、この考えが当たっているかどうかは分かりません。女性の方がいましたら、ご意見いただきたいと思います。ぜひ。

 

 ただこれだと、贔屓のキャラが主人公に選ばれなかったときに……、を避けるために、マルチエンディングゲームはともかく漫画や小説では「誰とも結ばれない」に収束せざるを得ないような……。

 

 

まとめ。

結論:男性向けならハーレム、女性向けなら固定ペア。

 

「かわいくてセクシーな女性キャラがたくさん出てくるのに、サービスシーンだってあるのに、女性人気が高いのはどうしてだろう」という疑問に答えるならば、「主人公とヒロインが、最序盤で固く結ばれているから」です。

 互いに認め合った恋人同士でなくとも、「この二人はずっと一緒だな」と読者が感じれば、それは女性的な作風になります。少なくとも恋愛に関しては。

 

 男性向けだから女性は楽しめない・またはその逆なんてことはないので、あまり考えすぎることはないかと思います。

 ただ、明確にどちらかを狙って作りたいのであれば、主人公と相手役の関係性には気を配るべきポイントだと言えるでしょう。