ライトノベルの魅力は、なんといってもキャラクター。
「魅力的なキャラの数々が八面六臂の大活躍をする場面をこそ書きたいのだ!」という小説書きさんは多いと思いますが、その想いはいいのですが、ちょっと質問があります。
キャラクターを、何人登場させていますか?
文字数に対してキャラの数が多いとすれば……、改善する余地があるかもしれません。
基本、キャラ数は少なめに!
アマ小説の特徴のひとつに、「キャラ数が多い」が挙げられます。「出したいキャラを全員出したな」と感じることも多々。
キャラが多いことの問題は、読者側、作者側双方に起こります。
読者としては、「覚えておくことが多い」。
設定もそうですが、情報量が多くなればなるほど、読者には負担を強います。紙の本であれば表紙や口絵を通して「物語に深く関わってくるであろうキャラ・そうでもなさそうなキャラ」を無意識的に選択できますが、web小説ではそれが難しい。
結果、「登場したキャラは、とりあえず覚えておく必要に迫られる」という煩わしいことになります。
次に、作者側の問題。
キャラ数が多くなるほど、要求される技術が高くなります。
多く登場するキャラに対し、描写量や登場タイミングなどで重要度・印象の強弱を調整できればいいのですが、そこに失敗した(伝わらなかった)場合は先ほどの「え、これ全部覚えなきゃなの……?」という感想を抱かせてしまいます。
つまり、キャラ立ちのコントロールが難しくなります。
文字数問題。
「文字数」という物理的な障害もあります。
「10万字の小説でメインキャラ数が4人」なら、1人当たり2万5千文字を使って、キャラの魅力や設定を表現することができます(実際にはここまで単純ではないものの)。
しかし、同じ文字数の小説でキャラが20人いては、それぞれに当てられる字数が少なくなるため、魅力を十分に伝えることが困難になります。
ヒソカ風に言えば「容量の無駄遣い」で、とてももったいない状態です。
限度は7人。
人が簡単に覚えておける最大値は「7」だと言われています。10万文字の小説であれば、ここが限度。これでも多いくらいで、メインキャラは5人程度でも回せるはずです。
登場キャラが多すぎる場合は、物語内での役割を見直すことをお勧めします。
「こいつがいなくても話は進むな」「この役割は、あのキャラに兼任させてもよさそうだ」という発見があれば、潔く降板させるのも、作者の務めです。
キャラに愛着があるのは分かりますが、ここはシビアに考えましょう。読者のためです。もう少し話が進んでから登場させることもできますし、まったく別の小説で活躍してもらう道もあります。
小説家は、クリエイターであると同時に、デザイナーやプロデューサーでもあるのです。
まとめ。
結論:キャラ数が多いなら、必要ないキャラを削ってみよう。
キャラは少なければ少ないほどいい、ということでもありませんが、多く出しがちな傾向にある小説書きさんは、一度見直してみてください。
魅せるべきキャラに集中して描写できることで、面白さがアップするかもしれません。