ヒダマルのラノベ講座。

ヒダマルが考える、ライトノベルの作り方。来たれ小説書き。

覚醒主人公は、悪役に語らせろ! 【主人公を立たせる小技】

 

 主人公とは、カッコイイ存在です。

 

 悪の化身と戦い、ヒロインを救い出し、世界の滅亡を止めます。最後の最後にシュートを決めるのは、いつだって主人公です。基本的には。

 そんな主人公の魅力をうまく伝えるための小技を、ご紹介します。

 

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主人公の力に驚いてるのは誰?

 主人公といえば、何か特殊な力を持っているのが一般的です。

 バトルものなら確実ですし、現代での日常ものでも、なにかしら特技・特徴くらいはあるでしょう。

 

 では、その特殊能力を発揮した際、驚いているのは誰でしょう?

 

 悪役、ヒロイン、バディものの相棒、主人公自身、色々考えられるとは思いますが、ここでは「悪役」に焦点を当ててみます。

 

 

 主人公の力に悪役が驚いているとしたら、悪役に語ってもらいましょう。

 

「なにコイツ。さっきまでヘタレだったくせに、急に強くなりやがって。でも俺の破壊光線なら一撃で、あっ、これも防ぐの!? 今のが通じないとなると、!? ちょ、待ってなのその構え!? いかんいかんエネルギーすげぇ!! マジ死ぬ!! ごめん!! 許して!!」

 

 ずばり、「覚醒主人公は悪役に語らせろ」ですね。

 

 

 同じく簡略化バージョンだと、

「くらえ悪役!」
「貧弱貧弱ぅ! 死ぬのは貴様だ!」
「それはどうかな? 奥義・〇〇!!」
「なんだと!? ぐああああっ!!」
「決め台詞!」

 といったシーンでは、悪役の方に視点を傾けておけば、驚きが伝わりやすいよというお話です。略しすぎて冗談のようですが、意外と馬鹿にならない演出方法です。

 

 

「悪役の驚き」=「読者の驚き」

 悪役の視点から主人公を語らせるメリットは、この公式が適用されるため。

 特に主人公の覚醒時、「今までとは違う、強力な力」をお披露目するバトル主人公にお勧めの手法です。

 主に少年漫画で使われている手法で、小説では、ゴリゴリに適用しているシーンはあまり見られません。(つまり狙い目です)(うまく行けばの話)

 

 例えば、ルフィが初めてギア・4を使ったシーン。

 一撃で街まで吹き飛ばされたドフラミンゴは、「なぜここに」と問う住民へ「俺が聞きてぇよ」と呟きます。反撃した際には「武装色のままゴムだと?」と驚いています。

 

 黒崎一護が初めて卍解したシーン。

 誰も適わなかった白夜の能力を、神速の動きで叩き落とした瞬間、驚愕しているのは一護ではなく白夜の方です。

 

「悪役の驚き」に注目して描写することで、「読者の驚き」を最大限に引き出しているのです。

 

 

 効果を最大化するには、悪役の強さを事前にしっかり伝えておくこと。

 特にクライマックスで使うには欠かせない視点です。「メチャクチャ強くて絶対に勝てそうになかった悪役がこんなにも驚いてる」という仕組みがあってこそ、そこまで追い込んでいる主人公の凄味が引き立ちます。

 

 

三人称が吉。

 ただ、小説で使うには課題が多いでしょう。

 漫画はいつ誰の心情にフォーカスしても自由ですが、小説でそれができるのは三人称のみ。その三人称でも「一人称寄りの三人称」や「視点移動を行わない形で進行してきた」といったパターンでやるには少し無理があります。

 

 この手法を使うなら、あらかじめ使えるように設計して小説を作る必要がありそうです。

 運よく使えそうな土壌がある方は、今すぐにでも使ってみてください。

 

 しかし、その他の小説に応用できないことはありません。

「漫画ではこんな風にやってる」という知識・理解があれば、ここぞという場面で悪役のリアクションに注目して驚きを伝え、主人公の魅力を引き立てられるかもしれません。

 演出の選択肢は、増やしておいて損はないはずです。

 

 

まとめ。

結論:「悪役の驚き」=「読者の驚き」だが、小説でやるには制限がかかる。

 

 ラノベで使われているパターンで有名なのは『とある魔術の禁書目録』三巻でしょうか。悪役の感覚を一部一人称的に描くことで、主人公の主人公性を高めることに成功しています。

 時雨沢恵一先生版の『ガンゲイル・オンライン』では、大会を観戦する観客たちの驚きを通して、読者へ驚きを伝えています。

 悪役に限らず、ヒロインやその他キャラなどの視点に傾けてみても面白い効果が出てくるかもしれません。