ヒダマルのラノベ講座。

ヒダマルが考える、ライトノベルの作り方。来たれ小説書き。

バトルの作戦、全部伝えていませんか? 【情報開示順を考えよう】

 

 ラノベの醍醐味のひとつ、バトル。

 手に汗握るバトル。炎が燃えて風が舞い、鳴き声轟くあのバトル! バトルを描ける作家は強いぞ!

 

 ラノベ書きたるもの一度は熱い戦闘を描き上げたいものですが、その際、ほんの少ぅしだけ気を付けるだけでも大きく差が出るポイントがあるのでご紹介します。

※戦闘時の描写のコツというより、物語の仕組みとしての注意点です。

 

f:id:hidamaru:20200416180010j:plain

 

ポイントは「情報開示順」。

主人公「いいか、これからaをやる! そうすればbになって、cまで来たら勝利は目の前だ!」

(aをやるシーン)
(bになるシーン)
(cまで来たシーン)

主「俺たちの勝利だ!(バーン!)」

 

 ……あんまり面白くなさそうです。aやbやcをどんなに魅力的に魅せようとしても、この構成ではかなり難しいと思います。なにがいけないのでしょう?

 

 ずばり、「情報開示順」です。

 味方の作戦内容を、はじめに全て開示している点こそが問題です。読者へ伝える情報のコントロールに失敗すれば、熱く盛り上がるはずのバトルもあっという間に読めなくなります。

 

 基本的に、読者へ開示されている作戦は失敗します。

『遊戯王』で(次にヤツが攻撃してきたら、この罠カードで一発逆転だぜ……!)なんて企んでいる決闘者がいたら、その作戦はほぼ間違いなく失敗に終わります。城之内に限らず、遊戯でも海馬でも同様です。「遊戯王の法則」と呼んでいます。

 仮にうまく行くとしても、途中で意外・予想外な障害が挟まるでしょう。そう来なければ面白くありません(読者に作戦を伝えた意味がありません)。

 

 読者に与えた情報が「aをしたらbになりcまで来たら勝利」であれば、その情報を前提にした、更なる面白さが求められるのです。 

 

 

何を隠すか、何を開示するか。

 ちょっといじってみましょう。

 

主人公「いいか、これからaをやる、そうすればbになるぞ!」

(aをやるシーン)
(bになるシーン)

敵「ふっふっふ、b如きで俺様が倒されると思ったか!」
主「それはどうかな? 本当の狙いはcにあったのさ!」

(c→読者の予想外なシーン)

主「俺たちの勝利だ!(バーン!)」

 

 bの先にある本当の狙い、cを隠しておくだけでも、ちょっと面白さが増しそうです。もちろん、a~cまで順当にきたところで予想外な「d」を開示する方法や、同じく順当に来たところで「敵の掌の上で操られていたのだ!」といった展開もあり得ます。形式としては同じことです。

 考えるべきは、「読者は何を知っていて、どんな予想を立てているか」です。「作者として何を伝えて、どんな予想を立てさせるか」です。意外性も予想外な展開も、作者の匙加減(情報のコントロール)で構築できるものです。

 情報開示順の工夫は、純然たる技術です。

 

 戦闘に限らず、ありとあらゆる場面に応用できます(というか、『物語を面白くするこの工夫は戦闘時にも応用できる』と考えるのが正しい理解です)。

 

主人公「いいか、これからaをやる、そうすればbになるぞ!」
(aをやろうとしてAになるシーン→読者の予想外なシーン)

主「Aだけど気にするな、aと同じようなもんだ! 続けるぞ!」
(bやBどころかEになるシーン→読者の予想外なシーン)

主「誰だ大丈夫って言ったヤツ!?」
ヒロイン「Eですって!? 嬉しい!」(読者の予想外なシーン)

主「結果オーライだ!(バーン!)」

 

 とまぁ、ラブコメなんかでも十分に効果を発揮します。

 

ヒ「Eだということは、Zもあるってことよね!? 楽しみにしてるわ!」
主「え!?」(更に大きな事件へ→読者の予想外な展開)

 

 なんかにも繋げられます。

 

 

まとめ。

結論:情報開示順を意識して、何を隠すべきか・何を伝えておくべきか見極めよう。

 

 くれぐれも、読者に全てをさらけ出してはいけません。とはいえ、隠しすぎてもいけません。

 読者は今、何を知っているのか。どんな見立てを持っているのか。コントロールするのは、作者の力です。

 それを前提に意外な展開を魅せて、右へ左へ翻弄しましょう。