ヒダマルのラノベ講座。

ヒダマルが考える、ライトノベルの作り方。来たれ小説書き。

『小鳥な鑑定士の起死回生』への小説アドバイス内容です。

 

 ヒダマルの提供する「小説アドバイス」のサンプルです。サービスのご購入を迷われている方の参考になればと思います。

 詳細はこちら↓

「ライトノベル・小説を読み、アドバイス致します  電撃文庫拾い上げ経験者の評価・感想・助言が欲しい方へ! 」 その他(趣味・エンターテイメント) | ココナラ

 

 著:伊坂枕『小鳥な鑑定士の起死回生』を25万文字拝読し、「キャラクターについて」「ストーリーについて」「文章について」の三項目について述べています(本来は『設定について』も含みます)。

 伊坂枕さんのご厚意により、アドバイス内容を全文公開させていただきます。ありがとうございます。ネタバレを含みますので、よければ作品をお読みになられてから、こちらを参考にしていただければと思います。


 なろう版はこちら↓

https://ncode.syosetu.com/n2916gk/

 カクヨム版はこちら↓

小鳥な鑑定士の起死回生 ~カビから作る下克上~(伊坂 枕(いざか まくら)) - カクヨム

 伊坂枕さんTwitter↓

伊坂 枕(いざか まくら) (@q6v6j) | Twitter

 

  

 

 伊坂さんからの感想です↓  

 

自分一人で作成していたときは「小説家になろう」でブクマ42、総合140ポイントだったものが、アドバイスを活かして書き直したところブクマ77、総合412ポイントにUPしました。 

作者・作品の方向性を尊重した助言をしてくださるのでお勧めです!

 

※以下、アドバイス本文です。

 

 伊坂枕さん、この度はサービスのご購入誠にありがとうございます。

  商品ページの「よくある質問」にも記載している通り、ここに記載している意見は「ヒダマルの考える意見や感想・アドバイス」であり、絶対ではありません。

 「キャラクターについて」「ストーリーについて」「文章について」の三項目について述べています。設定に関して改めてまとめて言及する点ってないなぁと。

  創作活動、応援しています。

 よろしければまた、ご検討くださいませ。

   

〇はじめに。

 前回以上に面白くなってます。これは自信あります確実です。お話に絡まない情報・展開が減って焦点が絞られ、サイドンとオズヌが関わるアクションも加わっていや面白いです。一章に関して大きな指摘は、クライマックス的な部分「エシル姐さんに手伝いを頼む~ペニシリン完成まで」がサラッとしすぎてるのでもっと劇的になりそうかな? くらいです。

 なんとなく「連載小説」と「一冊の本」の良いところをうまく抜き出せてるんじゃないかなと思います。区切りが割とハッキリしてて、でも「一冊」としてのクライマックスもある感じですかね。

 

 レイニーの乙女心が徐々に芽生えていく? というか、リーリスへの対応や反応の仕方が微妙に変化して行っている感じが好きです。

 前回は「主人公が女性である理由がない」とか言ってたかと思いますが、レイニーは女の子であってほしい……、と今は思います。リーリスとちょっとイイ感じになってる場面の効果かもしれません。一人称もこのまま僕でいいと思います。

  

 擬音と比喩の妙が相変わらずです。

  

えびせんが海老に戻って海を泳ぎ出したのを目の当たりにしたような呆気にとられた顔

 

 この辺は、現世から転生してきたキャラだからこその表現ですね。分かってるなぁと感じます。

 

〇キャラクターについて

 令の設定に「医学漫画マニア」が付いたことによって、毒や薬の知識を備えていることに説得力が生まれていると思います。現実にある一作だけじゃなく、色々と混ぜても面白いかもしれません。

 片足設定や小鳥設定なども、物語や生活に馴染む形で言及されていました。全身はともかく、足の痛みのほうはどうなのかなーと気にはなります。足を切り落とした経験なんてないのでよく分かりませんが、痛みはかなり長引きそうです。骨折の経験ならありますが、骨の痛みはとんでもないです。

  

「周りが大きいのではなく、自分が小さい」と気付いた時点でだいたいの身長が示されていたので、想像しやすくなっていたと思います。3~40cmだとドールと同じくらいの身長ですね。

 ただ、その後

 

でも、確かにリーリスさんに助けられた時は小学校低学年くらいだった体が、12,3歳くらいまでは成長している気がする。

 

 とあるので「あれ?」と感じます。これは「体長は40cmくらいだけど、見た目はそれだけ育っている」という意味だとは思いますが、明言されてないのと「大きくなった」への反応なのでややこしく感じます。初めに比較したのが獣人だったために小さく見積もっていた、とも取れますが、ハッキリしてほしいところではあります。「身長は〇〇センチのままなんだけどね」と付け足すだけで解決します。

「視力0.5」は中途半端かな? と感じます。ヒダマルは0.1以下の世界で生きてますし、あんまり珍しくもないですし。

  

 サイドンの分かりやすい悪役っぷり、オズヌさんのギャップと、キャラの登場の仕方、タイミングなどがパワーアップしていました。オズヌさんの「祝福を無効にする力」は、あそこで開示するのはもったいないかもしれません。それだと「祝福の無効化が強いのかと思わせておいて、純粋に剣技が神がかってるだけ」といった予想の裏切り方が面白そうです(リーリスがこんな感じでしたねカッコイイ)。「予想は裏切れ、期待は裏切るな」というやつです。

 まぁここは、あのタイミングでの開示で問題はないかなとも思います。仲良くなれてますし。

  

〇ストーリーについて

 「ペニシリンの作り方」は説明っぽくなりそうだと身構えましたが、コメディ寄りに変化していたので楽しく読めました。多少の説明っぽさは致し方ないですが、物語上自然な流れですし、うまく興味を繋ぎ止められると思います。

  

〇中だるみ感と、街や海について。

 ペニシリンのレシピ確認とリポキロ作りの盗み見のあと、ちょっと中だるみというか、停滞してきたかな? という印象があります。

 中だるみの解消方法として割と簡単なのが「物理的に新しい環境を出す」です。主人公がそこにどんな感情を抱くか・物語にどんな影響を及ぼすかと期待させることで、一度リセットされるというか別のスイッチが入るというか、リフレッシュできます。

 

 そこで、「街」と「海」が効果的に使えそうです。異世界にやって来たけど冒頭から散々な状態で生きるためだけに必死だったので(レイニーはそう捉えてないかもですが)、ここで改めて「異世界っぽさ」を視覚に訴えて伝えればリフレッシュできそうです。

 現状では、レイニーによる地の文で海の存在が明かされています。「この街は楕円形で、海がある」と知っている上で、海を目にして「おお!」とリアクションしています。これがもったいない。

 海の情報は隠しておいて、街を歩きながら目にした風景を描写しつつリーリスに解説してもらって、「でもこの街は楕円形なんス」「なんで?」「こういうことっス」「海じゃんすげー‼」の順番にしたほうが盛り上がります。街の描写はその後に続いてますね。この順番はこのままでも良いかなと思います。でも海の情報は先に開示すると目にした際の感動・驚きも減りそうです。

 あるいは場面が変わってすぐ(第〇話冒頭や一行目から)「おぉ海だー‼」でもいいと思います。その後に街の解説や描写に流れます。

  

〇クライマックスについて。

 微妙な調整になります。

 

 エシル姐さんに手伝いを頼み込む場面は、もう少し膨らませて緊迫した感じにできると面白いかなと思います。エシルさんの飲み込みが早いため、するするっと障害をクリアしてる印象があります。改稿後のエシル姐さんは凄味が増していますし、「自分にも他人にも甘くない人」なイメージです。レイニーから「あの勝負は取り消す」と伝えられた段階では「なに言ってんだ軟弱者」だと思います(少なくともエシルの頭の中では)。漢気のある面倒見の良い人だし、シフキ草の鑑定などでレイニーを認めている感もあるので、なおさら「そんな意気地なしだとは思わなかった、だったら約束通り出ていきな」がまず先に来るのではないかと。

 心の中で軽蔑して見放した(もちろん態度にも表れる)後に、「だから最後にペニシリン作りを手伝ってほしい」「フン、アタシとはもう関係ない話d」「リーリスさんを助けるために!」「……‼(我が身を捨てても恩人を救うためだと⁉)」みたいな。『ワンピース』の「仲間の印」のいっこ前の回のボンちゃんみたいな(伝わらなかったらすみません)。「ここを出ていく覚悟はあるのかい」「わかんないデス」「生きていける算段はついてるのかい」「それもわかんないデス(これまでのことを思い出すにたぶん三日くらいで死ぬ自信ならある)(総まとめも兼ねられます)(そのあと実際は一日、いや半日足らずで死にかける羽目に! と回収できます)」「それでも勝負を捨てる理由はなんだってんだい! 怖気づいて自分から命を捨てるようなヤツを助けるためにリーリスは今まd」「命の恩人を! 死なせるよりはマシだからデス!(どん!)」「(ダチのため⁉)」みたいな。

 工夫次第で、強烈で劇的な一幕にできそうな場面です。ここが山場というか正念場というか、一章でのクライマックスだと思うので。全体はコメディとはいえ、読者を泣かせるつもりで行っていい部分です。

 

 同じく、ペニシリン作りもそうです。作業開始から完成があっという間なので、もっと丁寧にねっとり描写すると良さそうです。クライマックスの焦らし、引き延ばしです。ちょうど、ペニシリンの鑑定前に自分を鑑定してツッコんでたような。

 感覚としてはたぶん、「ちょっとやりすぎ」なくらいねっとりじっくり描いていい部分だと思います。本当にこれでペニシリンが出来るのか、失敗したらまたやり直しか、残しておいた株をまた培養し始めたとして日数がこのくらいかってその間にリーリスさんの病状が悪化しない保証もない、やっぱりここで完成させるしかないっ、といった緊張を演出できそうです。

 と言っておいてなんですが、「ここはシーンを飛ばして薬が出来てる場面にすぐ入ったほうが良い」という意見も頷けるものはあります。個人的には、決定的な場面の前は引き延ばしたほうが面白さが増すと感じます。

 というかそういえば、改稿前はけっこうしっかり制作の描写が取られてましたね。あんな感じで、でも実際の作業の様子というよりは心理的な動き(心配や緊張)メインで描くと良いのかなと思います。「いえ、あの、『唾液』がダメなら『精液』なんデスけど……『精液』を僕にかけてくだサイって言うのは、流石に、ちょっと、倫理的な問題があるかと思って……」が削られてたのは残念です。すみません。

  

〇二章について

 新キャラ登場、問題発生、新キャラが活躍しつつ進行、ひとつ解決したと思いきや別の問題が発生してと、流れが綺麗だなと思います。一章と比べてちょっと展開が早い・短いかな、「リーリスさんと星を見る」は物語上必ずしも必要なピースではないかな、とは感じますが、この辺りはちょっと細かすぎるというか要求が高すぎるので気にしなくていいと思います。特に後者は書籍化作品でも見ますし、削ればいいという話でもないですし。こうした「遊び」も大事は大事ですし、遊びを入れるのが苦手だという作者もいます。

「毒への耐性を得るために非虐体質なロレンさん」「旦那は死んだと語るエシル姐さん」など、さらりと伏線というか前フリが散らされている点もこの先に期待を持たせてくれます。行き当たりばったりで書いてない感じが出てます。

 

 序盤、ロレンを発見した際のレイニーのテンションが、いつになく低いな? と感じます。ツッコミではなく感想になってるので、もう少しテンション高くリアクションしてほしい箇所です。

  

わ、悪い人では無いみたいだけど、会話が微妙にかみ合わない……
一緒にいると胸やけしそうな人ではあるな。

「ところで……こんな所で何をしていたんスか?」

結局、僕たちは、直ぐ近くに張られていたロレンさんのキャンプ付近で、キーノ汁をつくりながら話を聞くことにした。

  

「変態発見~落ち着いてお話」の流れがポーンと飛んでいるので、変態発見が分かりやすく一段落してから場面転換、が良いかと思います。変態発見のオチ、区切りが明確についた後に「じゃあここからは、落ち着いて話し合いのターン」というか。

 それと、倫理魔法でのモザイク設定がその後ほとんど言及されていなかったので、もったいない点です。引き寄せや鑑定同様、使い方次第でけっこう強そうな能力ですし。ギャグにも汎用性高そうです。キチッと服を着てるけど股間にモザイクかけてるから逆に変態度が高く見えるとか。「これが変態紳士の正装ですからな!」とか言ってて説得されてモザイクなしになるとむしろ恥ずかしがってるとか。モザイクの色を変化させて身体じゅうにかけて森に馴染むことで竜にこっそり近づくとか。モザイクで相手の視界を奪える、でも味方の視界も奪うから意味ないとか。竜との戦闘シーンをもう少し長くしても良いと思うので、そのあたりでロレンさんの活躍がもうちょいあると面白そうです。

  

「あ! オズヌの兄貴!」

オズヌさん曰く、本日今朝方、ウォーレンからの急ぎの通信が領主のお姫様に入ったらしい。

  

 オズヌさんの久々の登場(二章での初登場)である割には、一瞬で伝聞が終わっているので、扱いが雑に感じられます。「伝聞させるためだけに使った感」が出るというか。オズヌさんファンを喜ばせるつもりで、キッチリと会話させてほしいです。

  

〇文章について

 やっぱり「するする読める面白い文体」だと感じます。この場合の「面白い」はギャグ・コメディ的な面白さです。気になる点は文末と読点です。

「~と言うこと」「無い」「有る」「居る」あたりは開いたほうが読みやすい文章に近付きそうです。一般的には開く部分です。

  

〇文末について。

 気になるけど指摘するほどでもないような気もするけどやっぱ気になるよなぁ、という話ですが、ここに気を付けるともっと読みやすくなりそうです。

 ずばり「文末の連続」です。小説に限らず「同じ文末は三回以上連続で使用しない」が読みやすい文章のコツです。「~です」「~です」と来たら「~ます」で味を変える感じですね。

 引用してみると、 

 

 エシル姐さんは、撹拌作業をリーリスさんに任せて、奇麗な木の箱から、新鮮な木の葉っぱを取り出す。

【鑑定】

名前:リポキリア草
用途:『リポキロ』の原料となる薬草

 おお! アレが精霊の丘のさらに高所にしか生えないという、貴重な異世界版抗生物質の原料だ!!

 

 よく見ると、その葉っぱは、まるで粉を拭いたように青いカビちゃん……微生物がビッシリと生えている。

 

 ほほう? あれは、木の葉っぱそのものというよりも、葉っぱを養分にして成長しているあのカビちゃんが抗生物質には大切なのかな?

 もしかするとアオカビの一種かもしれないな。

 

 しかし、エシル姐さんは、リポキリア草を一旦確認すると、またしっかりと木の箱にしまい込んでしまう。

 うう、小金貨に化ける高価な原材料だもんね、そりゃ、扱いも慎重になるか。

 もう少しじっくり【鑑定】をしたかったが、仕方がない。

 

 そして、良く煮えた紫のジャガイモ……もとい、フォス芋を取り出し、その煮汁を先ほどのシャーリ……だっけ?

 あの、お米のとぎ汁みたいな液体と併せてピンク色の汁を作り上げる。

 

「よし、温度は人肌だね」

 

 エシル姐さんが満足そうに頷く。

 

 微生物の弱点は高温だ。

 とぎ汁と混ぜられ、ほど良く温度の下がった液体に、直接リポキリア草を放り込むエシル姐さん。

 僕の目には、きちんと箱をひっくり返して、とんとん叩く様子が、箱の中に残った胞子も無駄にしないようにしているように見えた。

 

 見事に守られてます。

 そりゃ読みやすいわけだと思わせます。動作の間にレイニーの感想を挟むことで、アクション・リアクション・アクション・リアクションとテンポよく進んでいます。

 

 じゃあなにが問題かというと、「過去形」をもう少し挟んでもいいのではないかな? と感じる点です。多くが「~する」「~しまう」「~作り上げる」で、「~た」がないんですね。最後の「見えた」だけです。「文末の連続」はこうした形でも表れるのかと発見しました。

 現状がただちに問題なわけではないものの、「取り出した」「しまいこんでしまった(これは語呂が悪いですね)」「作り上げた」「頷いた」などと「~た」を適宜使用することで、読みやすさはもっと上がりそうです。

 気にならない人はまったく気にならないかもしれませんが、ヒダマルは「た」が少ないことでなんとなくモゾモゾした落ち着かなさを感じます。バランスが悪いというか、重心が上にあるような居心地の悪さというか。もしかすると、戦闘描写では「~た」を使わないほうが進行形の危機感を出せるのかもしれません。これは本当に感覚で、仮説ですが。

 ヒダマルとしては「基本は『た』で、適宜『る』などを挟む」が基本だと考えているのも大きいと思います。 

 

〇読点について。 

 

このドクダミ、僕がちっちゃい頃、軽いアトピーだったせいで、うちのオカンが、自然派化粧品とか生薬とかに目覚めてしまい……使う機会が多かったんだよね。

  

「このドクダミ」「使う機会が多かった」までが非常に離れているので、ちょっとひっかかる文章になっていると感じます。「僕がちっちゃい頃」から始めて「……ドクダミを使う機会が多かったんだよね」とすると馴染みそうです。

「うちのオカンが、自然派化粧品とか~」の読点は独特です。削って「うちのオカンが自然派化粧品とか~」にしたほうが読みやすくはあるかと思います。

  

最初は、匂いが苦手だったんだけど、例の漫画に漢方・野草・生薬なんかのエピソード回が有って……

  

 の「最初は、」もそうで、「そこに読点打つんだ?」と感じる文章がままありました。「薬作りには、のめりこみ過ぎて」「奇行種と、もっぱらの評判だったけど」などの「、」もです。というかこの辺りでの違和感が多いので、調子によっては「、」を多用してしまう傾向にあるのかもしれません。

  

まぁ、あん時ゃ、アタシ達の初動が良かったから事なきを得たんだけど、後でチビ助に、そんな常識を教えてやったら、目を丸くして「へ~、そうだったんデスね」と、のたまうのだから、開いた口が塞がらなかった。

  

 思考内容に「、」が多すぎるのは、あまり頭が良くないような印象を与えます。ヤな言い方ですが「小学生の作文っぽさ」が出てしまいます。行き当たりばったりで話しているというか。現実的ではあるんですが。

 

朝食後、以前仕込んでいたカロンから採ったカビちゃんを培養した液体からペニシリンの分離を試みることにした。

  

 むしろこうした長い文章に読点を打って「~液体から、ペニシリンの分離を~」とすると、区切りが明確になって読みやすくなります。

  

……夏服のすそから、覗く手足がゾッとするような豆粒大の湿疹に覆われている。

 

  ここも「夏服のすそから覗く手足が、」でまとめたほうが、何を話題にしているのか分かりやすくなりそうです。 

 

〇気になった点、誤字脱字などについて。

 

僕の近眼乱視の瞳に、ぼんやりと自分の腕の惨状が飛び込んでくる。

いくら視力が悪いとは言え、近距離は問題ないはずだ。

それなのに、どう見ても、子供にしか見えない細く小さく頼りない腕。

さらに、それに刻まれる無数の痣や傷。

  

 初めて重要な情報が飛び込んでくる場所なので、徹底的に読みやすくしたい描写です(冒頭はぜんぶそうですが)。

「いくら~」の一文は言い訳っぽい印象があり、このワンクッションを挟む前に劇的な情報(傷と子どもの腕)を伝えたいので、削るかもっと後ろにずらすと良さそうです。

「無数の痣や傷」と「子供にしか見えない腕」ですが、どちらを先に開示するかで印象が異なりそうです。「傷だらけ!」「しかも小さい⁉」なのか、「腕ちっさ⁉」「いや、問題は傷のほうだ!」なのかです(もっとバリエーションはありそうです)。どちらをどう印象付けたいのかで変わってきます。

 全体の読みやすさにしてはちょっと引っかかるな、という程度ですが。

  

記憶の中に逃走ルートの手がかりが無いか思い出そうと、じっと自分の手を見つめた時だった。

唐突に、自分の手から半透明な光る文字が現れた。

  

「自分の手」が前の文に使われているので、二文目のそれは別の表現に置き換えたほうが読みやすくなります。「自分の」を削るだけでもいいですが、正確に表現するなら「手のひら」でしょうか。

  

何だこれ?

思わずキョロキョロ周りを見回すと、見慣れない大型器具の所でふと、目が留まる。

これは何? と、思ったとたんに、例の半透明な文字が現れた。

  

 疑問の発生「何だこれ?」から「思わず~」までが直結しており、事態の飲み込みが早いため、読者がついていけない可能性を感じます。「何だこれ?」の後に【鑑定】の内容を拾って、「目にしたものの概要が分かる? 僕の手を見つめたから出てきたってこと? じゃあ、他のものを見て試してみようか」→「キョロキョロ」くらいに段階を踏むと、思考の流れが分かりやすくなりそうです。大事な点なので、丁寧に伝えたほうが良いかと思います。

 この流れで他のもの(拷問具と自分)に【鑑定】を使っているので、「なるほど、【鑑定】がキーになるのだな」と自然に伝えられています。ひとつだけではなく、「どこに目をやっても『拷問器具』『苦痛を~』『地獄の~』と出てくるこの牢獄マジなんなの」とやっても面白そうです。あまりくどくど描かずサラッと挟むだけでも、設定と状況の魅力がもう少し強化されると思います。

  

そして、迷いも躊躇もなく、21番の薬を僕の口の中にねじ込む。

  

「薬」としか書かれていないので、錠剤? 粉末? とちょっと気になります。描写からして錠剤っぽいですが。 

  

僕は男達の手が離れたのを良いことに、変身移動で拘束から抜け出すと、棚に置かれていた大豆程度の大きさの魔蓄石を大急ぎで口に含む。

 

 変身は三回目、変身移動はまだ二回目なので、もう少し具体的に描写してもいいかなと感じます。急いでいるとして、変身の速度はどのくらいなんだっけ? やっぱり裸で? など、言及できる点が多いですし、慌てていることも含めてもう少し丁寧に描いたほうが臨場感が出そうです。

  

鬼―! 悪魔ーっ!! 冷血漢っ!!

屁―出る《ヘーデル》と|具がー出る《グガーデル》状態じゃないかって?

  

「ー」が「―」になってます。 

 

この能力、使ってみて分かったんだけど、どうやら『僕自身が知りたい、と強く念じた内容』が表示されるらしい。

  

「使っているうちに」のほうが時系列的に自然な言い回しかもしれません。「分かった」は「分かってきた」でも良さそうです。 

 

『抗生物質』……その四文字を必死に探す。

 【鑑定】
名前:リポキロ
効果:抗菌剤・《《β-ラクタム系抗生物質》》を多量に含む。魔力回路の異常に対する万能薬でもある。

 

 

【鑑定】しまくって探す場面なので、リポキロを発見するまでのハズレを羅列すると、焦った感じが出るかもしれません。薬の種類が咄嗟に出てきませんが、「〇〇軟膏」違う、「〇〇の実」おいしそうだけど関係ない、「〇〇薬」プラシーボ効果しかないはずだけど⁉ みたいな。最後にリポキロが見つかってこれだ! と。

  

お値段……!

そ、それは、考えたことが無かった。

  

「考えてなかった」のほうが自然かなと思います。「進行形な感じ」というか。

  

「本当にそれが出来るっていうなら、構わないよ。ただし、期限は1カ月!」

期限付きか……1か月はちょっと厳しいか?

  

「1カ月」「1か月」と表記が揺れています。 

 

冬場は、これを「ホッカイロ」みたいに使う事が冒険者の間では一般的なんだとか。

  

「ホッカイロ」は商標登録されている商品名なので(調べたら「KOWA 興和ホッカイロ 貼る レギュラー 60個」とか出てきました)、ここは「カイロ」が安全です。「猫型ロボット」はOKだけど「ドラえもん」はダメ、みたいなことです。

  

「なるべく空気が含むように、しっかり混ぜとくれ。その間にアタシは新しい甕の仕込みをするからね」

  

 空気「を」含む、のほうが適当ですかね。「が」だと「空気が含まれる」かなと。

  

よく見ると、その葉っぱは、まるで粉を拭いたように青いカビちゃん……微生物がビッシリと生えている。

  

「粉を吹いた」です。

 レイニーがカビを「カビちゃん」と呼ぶ際「カビにちゃん付け?」とツッコミが入るタイミングを探してたんですが、ポポムゥとの会話 

 

「あ、えーと、そういうカビのコロニーってどこで手に入るか、ご存知デスか?」

「か、カビのころにぃ、なんだな?!」

  

 を「カビちゃんのコロニー」にしてポポムゥに驚かせると自然かなと思います。「カビを求めている」への反応はその前にもたくさんありますが、「カビちゃん」への反応は受付のお姉さんが初なので、ちょいちょい挟んでもいいかなと。その前にリーリスにも機会はありそうですけど。

  

つまり、どういう事かというと『糖分と栄養分が豊富で微生物が繁殖しやすい液体』と、イコールであると言って良いだろう。

 

「つまり」だけでいいかなと思います。結論は早く知りたいので、「どういう事かというと」で無駄な焦らしが発生している気がします。

 余談ですが、ペニシリンの「作り方」と「材料」は、読者は覚えていないものと考えたほうがいいです。おそらく、だいたいの読者は「なんとなく流れで捉えてる」と思います。ぶっちゃけヒダマルもそうです。「そこは細かく覚えてなくても楽しめる作品」が求められていそうです(もちろんクリアしています)。

 色々と細かいハードルはあるものの「カビちゃんを探す!」という大きな一点に絞って話を作っているため、焦点が分かりやすくなっていると思います。

  

それをボウルの上に布巾を置いたうえに注いで、濾してカスを取る。

 

「上にうえに」で表記ゆれっぽい上に重複しているので、言い回しを変えたほうが良いかなと思います。「布巾を張ったボウルに注いで、濾してカスを取る」でどうですかね。

 

据えた様な空気が漂い、明かに誰かが齧った痕のある肉を引き裂いてご飯に混ぜ込んでは販売しているお店や、

  

「饐えた」ですかね。ひらがなでも良いと思います。

  

そこは、実験や薬等で頭のおかしくなってしまった犯罪者を隔離したり、収容されている人で、病気のために余命いくばくも無い……というヤツを看取る為の施設なのだとか。

 

「したり」は二回以上続けて使うのが基本ですが、個人的にはそんなに気にしなくてもいいと思ってはいます。「したり」を一回使いしている箇所は他にもありました。

  

「正直、アタシは、アンタが助からない方が確立が高いと踏んでいたのさ」

  

「確率」ですね。「助からない確率(可能性でも)の方が高いと~」のほうが自然になりそうです。 

 

「あ、あれは凄いんだな。う、ウチのピピミィもお風呂上りに使っているんだな。は、肌がしっとりするって、喜んでるんだな」

 

 実物を手に持ってるので、「これは」のほうが馴染みそうです。

  

港町であるダリスが閉じてしまうという事は、物資の流通が途絶えるということになる。

 

 表記ゆれです。「ということ」を多用するのもなんなので、後者は「途絶えることを意味する」にしても。

  

刹那、ザビドラゴンの大きな爪が竜種痘の仔サクラ竜を引き裂くのを邪魔する楔が撃ち込まれた。

 

「ザビドラゴンの~」から「~の~が~の~を~が」と情報が多いので、整理したい一文です。「ザビドラゴンの大きな爪が、竜種痘の仔サクラ竜を引き裂こうとする刹那。(擬音)(敵の反応)空を切った矢が、ザビドラゴンの目に突き立てられていた」あたりかなと思います。

  

この異世界版のラップ、原材料はあのナメクジ産み《スラグバース》が分泌する透明な液体を加工して作るらしい。

 

  この辺りで「らしい」が頻発しているので、「~のだとか」なども混ぜると違和感が減りそうです。

  

「はッ! アタシはそんな取り繕ったような挨拶、嫌いだね。貴族のマネ事なんで止めとくれ。」

「有益な情報料よ。」

 

 台詞の文末に句点が付いています。マネ事「なんて」ですかね。

  

「?!き、貴様、何を!」

「【引き寄せ】レイニーのポーチッ!!もがっ……」

  

「?!」の後の空白がありません。これは好き好きだと思いますが、「?!」ではなく「!?」で使うのが気持ちいい! という勢力がたぶんあります。ヒダマルもそっち派です。

  

忌々しそうに舌打ちする監査役のおっさんを後目に宰相さんは弾んだ調子で

「では、詳細は別途ご説明しましょう」

と、安堵の息をついている。

  

「調子で」の後に読点をつけたほうがしっくり来るかなぁと思います。また、改行せずに地の文の流れで「」を入れても良さそうです。まぁこれも好き好きのレベルです。 

 

「こ、これは……フード姿じゃないと、完全にアローア姫が、霞んじゃいマスねぇ……」

  

 この時点から、「アローナ姫」が「アローア姫」に変わっています。 

 

この価格帯ならば、病の流行を食い止められる可能が高い見通しだそうだ。

  

「可能性」ですかね。

  

依頼側とはいえ、リーリスさんはいつもの弓矢と刀を装備しているし、僕もエシル姐さんから、例のザビドラゴンを倒した時の炸裂弾をまた一つ貰ってポーチに入れている。

  

「剣」じゃなかったですっけ。

  

大きな壺を2つ背負っているリーリスさんが、嬉しそうにうなづく。

 

「うなずく」と「うなづく」はどちらも使用可能らしいですが、基本的には「ず」なんじゃないかと思います。

 

  以下、その他の誤字脱字です。

 

兵士さん達がぶぅぶぅ文句を言いながらこのゴンドラに近づい来た。

ちょ!?。

きちんと一枚づつ、千切った葉を鑑定しながら、口に入れていて良かったよ。

第一、逃亡奴隷を拾ってくるなんて、持ち主の貴族に喧嘩売ってるようなもんだろう!こんな状態から無事に助かる訳無いだろ!?

次に、馬油を湯煎して溶かした所に、この煮詰めた汁を少しづつ泡だて器などでよく混ぜていく。

僕個人としては、できればもう少し生産性の高いのカビちゃんを探したい。

友人からも、つぼみの段階でに枯れて腐ったと評判だった僕の乙女心さん

半分づつ分けても一人大銀貨1枚。

「2,3日は持つんスけど、水分が少しづつ抜けちゃうし……やっぱり、採れたて無敵っスよ!!」

まるで、食後のデザートが、目の前に運ばれてきた少女ような微笑みを浮かべるお姉さん。

テニスの審判台みたいな高台に座っているの銀髪の男に向かって指を弾き何やら指示を飛ばしている。

【鑑定】を使っている僕の瞳に加護が発動していることを証明するの文字が映る。

  

 サービスのご利用、重ね重ねありがとうございます。

 

 いやーーーー面白かったです。病み病みな時期でしたが、レイニーに笑わせてもらいました。感謝です。

 三章以降も、よければまたお声かけください。いつでも待ってます!

 

  

 以上です。

「小説アドバイス」のほか、プロットの状態で視る「プロットアドバイス」、創作のブレスト相手や壁打ち役になる「創作談義」などのサービスも提供しています。興味がありましたらいつでもお声かけください。

 ヒダマルを頼ってくだされば嬉しいです。

 

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